言葉遣いや敬語、正しい日本語を使おう
保育士や幼稚園教諭を目指して勉強していると、子どもへの声かけや先生方とのやりとり、保護者対応、さらには実習日誌の記録など、「言葉の使い方って本当に大切だな」と感じることが増えてきます。
普段は友だちと話しているときには気にならない言い回しでも、保育の現場では「この言い方で大丈夫かな?」「もっと丁寧に伝えるにはどうすればいいんだろう?」と戸惑うこともありますよね。
今回は、就職活動や保育実習、将来の現場でも役立つ「言葉遣い」「敬語」「正しい日本語」について、具体的な例を交えながら分かりやすく紹介します。
自分の言葉に少し意識を向けるだけで、印象が大きく変わってきます。今日からできることを少しずつ始めてみましょう。
「ら」抜き言葉
よく耳にする「食べれる」「来れる」「見れる」といった言葉。
これらは「ら」抜き言葉と呼ばれ、文法的には正しくない表現です。
誤:「Aくんも食べれるようになるよ」
正:「Aくんも食べられるようになるよ」
普段から使い慣れていると、実習日誌や先生との会話の中でもつい口にしてしまいがちなので注意しましょう。
子どもたちの前で話すときや保護者への対応でも、言葉の正確さや丁寧さは保育者としての信頼につながる大切なポイントです。
実習日誌を書く前には、一度読み返して「ら抜き言葉」が混ざっていないか確認する習慣をつけると安心ですね。
よくある敬語の言い間違いに注意しよう
敬語を使おうと意識するあまり、かえって不自然な言い回しになってしまうことがあります。
特に、丁寧にしようとしてつい使ってしまう「二重敬語」には注意が必要です。
たとえば、次のような例があります。
誤:「おっしゃられていました」
正:「おっしゃっていました」
誤:「〇〇さんがご覧になられました」
正:「〇〇さんがご覧になりました」
一見、とても丁寧に聞こえますが、実は日本語として過剰で不自然な表現になっています。
言葉に迷ったときは、一度立ち止まって「この言い方、本当に合っているかな…?」と確認することが大切です。
間違えることを恐れなくて大丈夫。
「正しく伝えよう」「丁寧に話そう」という気持ちが、少しずつ自然な敬語表現を身につける力になりますよ。
子どもと先生で使い分ける言葉遣い
保育の現場では、子どもへの声かけと先生方や保護者との話し方で、使う言葉をきちんと使い分けることが求められます。
≪子どもへの声かけの例≫
「危ないよ」ではなく、
「そこは危ないから、気をつけようね」
「だめ」ではなく、
「○○してくれると嬉しいな」や「こっちのほうがいいね」
子どもが安心して行動できるように、頭ごなしに否定するのではなく、選択肢を与える伝え方を意識しましょう。
≪先生への報告の例≫
誤:「Bちゃんが泣いたので、声をかけたら泣き止みました」
正:「Bちゃんが泣いていたので怪我をしていないか確認したところ、膝を擦りむいていました。滑り台の付近で走っていて転んだそうです」
どんな場面で、どんな声かけをして、どんな反応があったのかを丁寧に伝えることが、相手からの信頼につながる報告になりますよ。
実習日誌でも活きる、ことばの選び方
実習日誌は、自分自身の気づきや学びを振り返るための大切なツールです。
感想を書くことはもちろんですが、具体的な出来事と自分の考察を交えて書くことを意識してみましょう。
≪日誌の書き方例≫
誤:「今日は楽しかった。子どもたちがかわいかった」
正:「今日は室内でままごと遊びを行いました。子どもたちは役になりきってやりとりを楽しんでおり、特にCちゃんは“お母さん役”として友だちに優しく接する姿が印象的でした」
このように「活動内容」「子どもの様子」「そこから感じたこと」を具体的に書くと、読み手にも伝わりやすくなりますし、自分自身の学びの整理にもつながりますね。
まとめ
保育の現場では、保育者の言葉が子どもたちに安心感や信頼感を与える大切な役割を持ちます。
また、保護者や同僚との信頼関係を築くうえでも、日々の言葉遣いがその人の印象を左右することでしょう。
難しい言葉を使う必要はありません。
大切なのは、相手を思いやり、丁寧に伝えようとする姿勢です。
そして、保育士が使う言葉は、子どもたちの言葉のお手本になることを、いつも心に留めておくと良いですね。
日常会話や実習日誌の中で、少しずつ言葉の使い方を意識することから始めてみてください。
その一歩が、保育者としての成長へとつながっていきますよ。