現役保育士に聞く!先輩を見て学んだこと
保育の仕事は、「絶対これが正しい」という正解はなく、常に臨機応変な対応が求められます。
そのため、保育士になりたての頃には、たくさん悩むことも多いのではないでしょうか。
1人で解決できないことでも、周りの先輩に聞けば解決のヒントをくれることも。
今回は現役保育士の筆者が、先輩保育士を見て学んだことを紹介していきたいと思います。
子どもを楽しませる工夫
保育園ではお集まりの前の隙間時間に、手遊びや絵本の読み聞かせなどをすることもよくある光景です。
筆者が保育士になりたての頃は、実習の時に覚えた手遊びをくり返していたので、子どもたちも飽きてしまい集中が途切れてしまうこともありました。
しかし先輩は、特別な準備物がなくとも、ままごとコーナーにあるお手玉一つで手品をしたり、どちらの手にあるのかを当てるゲームをしたり、様々な工夫をして子どもたちを楽しませていました。
声の抑揚や表情に変化をつけることで興味を持ち、話に集中してくれることもあるので、「先輩は興味を惹くのが上手いな」と憧れの気持ちをもっていました。
コミュニケーションの大切さ
筆者が新卒で働き始めて最初に感じたことは、先輩保育士の「コミュニケーション能力の高さ」でした。
お迎えにきた保護者と先輩とのやり取りを観察していると、子どもの園での様子を丁寧に伝えるだけでなく、保護者の悩んでいることに耳を傾けたり相談に乗ったりしていることに気づきました。
私は突然相談されるとなんと答えていいのか戸惑うこともあったのですが、先輩は子どもの成長面で気になることがあれば園での様子を伝えると共に、家庭での様子を伺ったりアドバイスをしたりとコミュニケーションを大切にしていることが伝わってきました。
先輩保育士たちは、園での要望をただ伝えるだけでなく「家庭と一緒に頑張りましょう」と保護者に寄り添う姿勢に自分もこうなりたいと思う瞬間でした。
様々な視点で考える力
子どもの小さな異変にも気付いて、対応するためには日々の観察力が求められます。
筆者の勤める園で、このようなことがありました。
3歳児クラスに入園したAちゃん。
外遊びが大好きで、友だちとよく鬼ごっこをしてたくさん給食を食べる元気な子でした。
たくさん食べることもあり、少しずつ体重が増えて4歳児クラスになる頃には肥満気味になってしまいました。
今まで身体を動かすことが大好きだったAちゃんが鬼ごっこにも交ざらないのでどうしたのかな?と思っていた時、先輩保育士がAちゃんの歩き方が不安定なことに気づきました。
小さな異変を保護者に伝えると、お母さんも少し気になってはいたけれど、太ったせいかなと思っていたようです。
しかし後に検査をしてみたところ、身体に力が入りづらくなる病気であることが判明しました。
早期発見に繋がり、治療を受けることができたのも、先輩保育士が子どもの変化に気づきその気付きを周りに共有した結果ではないでしょうか。
この経験から私は、先輩から様々な視点で考える大切さを学びました。
経験を重ねても学ぶことはある
子どもや保護者と関わる中で、悩んだことや困ったことがあると先輩に相談することもあるでしょう。
「悩んだときには先輩に聞けば解決する」と思っていたのですが、先輩が子どもの発達に関する本を見て勉強している姿を見て、深く考えずに何でも質問していたことに恥ずかしくなりました。
先輩保育士も始めから何でも知っている訳ではありません。
自ら学んだり、様々な人と積極的に関わったりしているからこそ得た知識と言えるでしょう。
先輩の学ぶ姿勢を見て、自分も常に学ぶことを意識しなければならないことを実感しました。
まとめ
保育士として働き始めた頃は「先輩方のように動ける気がしない」と落ち込むこともあるかもしれません。
しかし新人時代は憧れの先輩も通ってきた道です。
先輩の行動や言葉かけなどをよく観察して先輩のいいところを吸収していきましょう。