動物・虫などの生き物と触れ合うと子どもたちにはどんな成長が見られるの?
皆さんには、動物や虫などの生き物に触れ合う機会はありますか?
昔と比べて普段の生活の中で生き物に触れたり、お世話をしたりする機会が減り、動物や昆虫に興味関心が薄れている子が増えています。
しかし、生き物と触れ合うことは子どもの成長にとても良い効果をもたらします。
今回は、生き物に触れることで子どもたちにはどのような成長が見られるのかを紹介しましょう。
思いやりの気持ちが持てる
園で動物や虫、魚などを飼育するには、名前をつけたり、毎日エサをあげたり、飼育環境を整えたりすることがたくさんあります。
「カタツムリのために、おうちから野菜をもってきたよ」などと一生懸命にお世話を続けていると、愛情が湧いてきて相手を思いやる気持ちを育むことに繋がることでしょう。
生き物に向けていた愛情のように、「誰かのために」を考えて他者を思い、行動する経験は大人になってからもとても大切なので、幼少期のうちから身に付けていきたいですね。
命の大切さを知る
生き物を育てていると、「さなぎからアゲハ蝶になったよ」と生体の成長に喜びを感じることができます。
愛情をもって観察していると、感動も大きいですよね。
しかし、反対に突然の「死」を経験することもあります。
「昨日まで元気に動いていたカブトムシが死んじゃった」と悲しい思いを抱くこともあるでしょう。
しかし、これも子どもたちの心の成長を表しています。
今まで大切に育てていても、いつか別れがあることを知り「命は大切なんだ」という気持ちを持つことができるでしょう。
子どもたちには悲しい経験はさせたくないとは思いますが、包み隠さずに伝えて一緒に土に埋めたりお墓を作ったりして「死」と向き合う時間を設けるようにしましょう。
興味の幅が広がる
筆者の勤める園での話です。
子どもたちが園庭で捕まえたカナヘビを虫かごに入れ、毎日観察をしていました。
すると、日に日に弱っていくカナヘビを見て「エサをあげなくちゃ!でも何を食べるのかな?」「寝られるように土を入れようよ」などとカナヘビの生態に興味を持ち、自主的に調べるようになってきました。
昆虫図鑑を見て住む環境を調べたり、エサとなるクモを探しに園庭を探索したりすることで、カナヘビのことだけでなくクモがどのような場所にいるのかを考えるきっかけにもなり、更に興味の幅が広がりました。
責任感を持つ
うさぎを飼育している園にいた時の話。
エサやりの当番は、年長クラスでローテーション。
自分が当番になることをみんなが楽しみにしていて、当番の日には「先生、もううさぎにエサあげてきていい?」と一生懸命にお世話をする姿がみられました。
うさぎが苦手で近づけない子もいましたが、「うさぎさんお腹すいちゃうからあげないと!」と当番活動に責任感を持って取り組んでいました。
生き物と触れ合うことで子どもたちにも責任感が生まれ、やり遂げようとすることに成長を感じます。
自分には何ができるかを考え、責任を持って取り組むことは普段の生活の中では経験する機会が少ないので、生き物と触れ合う経験を積極的に取り入れていきたいですね。
まとめ
好奇心旺盛な子どもたちは、動物や虫などに興味を持っています。
保護者からもも「家では飼えないけれど、園では生き物に触れ合う機会を与えてくれて嬉しい」という意見が多いです。
生き物と触れ合うことで様々な刺激を受けて心の成長へと繋がりますので、保育者が生き物と触れ合う環境を整えて興味が広がるような声かけをして子どもたちの興味関心を深めていけるといいですね。