異年齢の関わりで見られた子どもの成長
以前は兄弟以外にも、近所付き合いや親戚の集まりなど様々な場面で異年齢間の関わりを経験することができていました。
しかし現在は少子化や核家族化の影響で家庭内におけるきょうだい数は減少しています。また、近所付き合いも薄くなり、子どもたちが異年齢間の関わりを経験する機会は減っています。
そこで、0〜5歳児の中で幅広い年齢の子と触れ合える異年齢保育を取り入れている保育園もあります。
年齢を超えた子どもたちの関わりは、同じ学年の子たちと過ごしている時とはまた違う経験をすることができ子どもたちの新たな一面を知ることもできるのではないでしょうか。
今回は異年齢間の関わりで見られた子どもの成長について紹介していきたいと思います。
協調性や社会性が身につく
保育園や小学校、中学校、高校と学びの場は同じ年齢の子が集められたクラスがほとんどですが、子どもたちが社会に出ると年上や年下関わらず他者と関わる機会が多くなりコミュニケーション能力が求められますよね。
幼児期から異年齢間の関わりを多く持ち、他者を受け入れるという経験を繰り返していくことで、協調性や社会性を身につけることにも繋がります。
例えば、自分にとっては簡単なことも年下の子にとっては難しいということもあるでしょう。
そのような場合に、「どうすればこの子を助けられるだろうか」と自分で考えられるようになり、相手の年齢に合ったコミュニケーションを取りながら、思いやりを育むことができます。
興味・関心の幅が広がる
年上の子と過ごしていると、難しいことにも意欲的にチャレンジしていて「かっこいい!同じようにやってみたい!」と憧れを持つこともあります。
同学年の子と遊ぶことも、もちろん重要ですが、他学年の子どもと関わることで様々な刺激を受けることで興味・関心の幅も広がっていくでしょう。
「やってみよう!」という意欲があると、諦めないで苦手なことにも挑戦することができる力が養われます。自分の限界を決めつけないで日々挑戦し続けることは、大人になってからもとても重要なものではないでしょうか。
また、他者に興味を持つことで友だちの幅も広がるというメリットもあります。
多様な価値観を持った子どもたち同士で交流する環境に身を置くことになるので、幅広い年齢層の友だちもできますね。
新たな一面を見ることができる
異年齢間の関わりの中で意外な一面を見ることができたAくんについて紹介します。
保育者や同じ学年の子に対しては、自分の気持ちを押し付けてしまう5歳児のAくん。
合同保育(異年齢保育)の際に3歳の子が困っていると面倒を見ようとしたり、「これ貸してあげる」と遊具を譲ったりと積極的に声をかける姿が見られました。
上記のA君のように異年齢間の関わりを持つことで、普段とは違う新たな一面を知る機会もあります。
この一面は、年下の子と関わる機会がないと知ることができなかったことだと思います。
Aくん自身も「頼られて嬉しい!」という気持ちに気づくことができたので、自分中心ではなく他者の存在を尊重するための第一歩となったのかもしれませんね。
まとめ
他者とどのように関わったらいいのか分からず戸惑うこともあると思いますが、異年齢間の関わりを経験することで普段とはまた違う一面を見ることができたり、他者を思いやる気持ちが芽生えたりと様々な成長が見られるのではないでしょうか。
時には力の差を感じてやる気をなくしたり、全員一緒には楽しめなかったりと異年齢間だからこそのトラブルが生じる場合もあるでしょう。
相手に合わせ過ぎても飽きてしまったりストレスを感じたりしますよね。
そのような時には全員で遊べる遊びを一緒に考えたり、それぞれの年齢に合った遊びを提案したりと保育士がフォローを入り、1人ひとりが遊びをじっくりと楽しめるように配慮していけるといいですね。