七五三を保育に取り入れるには?子どもに伝える行事の意味

秋になると、神社や街中で七五三の衣装を着た子どもたちを見かける機会が増えてきます。
保育園や幼稚園でも、七五三にちなんだ製作をしたり、子どもたちに行事について伝えたりすることがあるでしょう。
保育学生にとっては、「七五三って子どもにどう説明したらいいの?」「どんな活動に取り入れればいいんだろう?」と悩むこともありますよね。
七五三は、ただ着物を着たり、千歳飴を食べたりする行事ではありません。
子どもの成長を喜び、これからも元気に過ごせるよう願う、昔から大切にされてきた日本の伝統行事の一つです。
ただ、幼い子どもたちに七五三の由来を詳しく説明しても、難しく感じてしまうかもしれません。
そこで今回は、子どもの年齢や発達に合わせて、七五三の雰囲気を楽しみながら行事の意味を伝える方法や、保育への取り入れ方を紹介します。
七五三ってどんな行事?
七五三は、子どもの成長を祝い、これからも健やかに成長できるよう願う行事です。
一般的には11月15日が七五三の日とされていますが、実際には11月15日前後の時期に、家族で神社などへお参りする家庭も多くあります。
「七・五・三」という名前は、昔から子どもの成長の節目として大切にされてきた年齢に由来しています。
現在では、子どもの成長を家族みんなで喜び、これからの健やかな成長を願う行事として親しまれています。
保育の場では、七五三の歴史や由来を細かく覚えてもらうことよりも、「自分が大きくなったことを感じる」「家族に大切にされていることを感じる」「これからも元気に過ごしたいと思う」といった経験につなげていくことがポイントです。
・子どもには「難しく説明しすぎない」ことが大切
七五三について子どもに伝えるときは、難しい言葉をたくさん使って説明する必要はありません。
例えば、「七五三は、みんなが元気に大きくなったことをお祝いする日なんだよ」「昔から、子どもたちが元気に大きくなりますようにって願ってきたんだよ」など、子どもにも分かりやすい言葉で伝えてみましょう。
年齢によって理解できる内容も異なるため、子どもの反応を見ながら伝え方を工夫することも大切です。
乳児:衣装や飾り、写真などを見ながら、七五三の雰囲気を楽しむ
幼児:「大きくなったね」「できることが増えたね」と、これまでの成長を振り返る
年長児:七五三の由来や、昔の子どもの生活について少し詳しく知る
このように、同じ七五三でも、子どもの発達に合わせて伝え方を変えることができます。
・「自分の成長」を振り返るきっかけにする
七五三を保育に取り入れるときに大切にしたいのが、「自分はどんなふうに大きくなったかな?」と振り返る時間です。
子どもたちに「小さい頃はどんなことができなかったかな?」「今は何ができるようになったかな?」と問いかけてみましょう。
「一人で靴を履けるようになった」「お箸が使えるようになった」「自分で着替えられるようになった」「弟のお世話ができるようになった」など、子どもからさまざまな答えが出てくるかもしれません。
ここで大切なのは、「できることが増えた=成長」とだけ考えないことです。
友達に優しくできるようになった、困っていることを言葉で伝えられるようになった、最後まで頑張ってみようと思えるようになったなど、目に見える変化だけでなく、心の成長にも目を向けてみましょう。
七五三をどのように保育に取り入れる?
・七五三を製作活動に取り入れてみよう
七五三をテーマにした製作も、行事に親しむきっかけになります。
例えば、千歳飴を入れる袋を作ったり、着物や和柄をイメージした作品を作ったりすることができます。
ただし、製作では「七五三だからこの形を作りましょう」と、全員が同じものを作ることだけを目的にするのではなく、袋の模様を子ども自身が選んだり、好きな色や素材を使ったりすることで、それぞれの個性を表現できるようにしましょう。
製作をしながら、「どんな模様にしたの?」「この色が好きなの?」などと声をかけると、子どもとの会話も広がります。
・「千歳飴」から長生きや成長について考えてみる
七五三といえば、千歳飴を思い浮かべる子どもも多いでしょう。
千歳飴には、子どもがこれからも長く元気に成長してほしいという願いが込められています。
保育では、実物を見せながら「どうしてこんなに長いんだろう?」と子どもたちに問いかけてみるのもよいでしょう。
子どもたちの「長生きしてほしいからかな?」といった気づきを受け止めながら、「元気に大きくなってほしいという願いが込められているんだよ」と伝えることで、千歳飴にも意味があることを知るきっかけになります。
・「家族に大切にされている」ことにもつなげよう
七五三を伝えるときには、「家族から大切にされている」という感覚につなげることもできます。
「みんなが元気に大きくなっていることを、お家の人も喜んでいるんだよ」と伝えると、子どもにとって七五三がより身近なものになるでしょう。
ただし、家庭の状況は一人ひとり異なります。
「七五三には必ず家族で神社に行く」「着物を着る」といった伝え方に決めつけないことも大切です。
七五三をお祝いする方法や家庭での過ごし方はさまざまです。
そのため、「お家ではどんなことをするのかな?」と興味を持って聞きながらも、家庭の事情を無理に話してもらわないよう配慮しましょう。
・実習では「行事の裏側」にも注目してみよう
七五三の活動を経験するだけでなく、保育者がどのように準備しているのかを見ることも、保育学生にとって大切な学びです。
掲示物や製作の準備、子どもへの説明、保護者への情報共有など、行事の裏側にはさまざまな仕事があります。
「なぜこの活動を取り入れているのだろう?」と考えながら観察してみると、行事が単なるイベントではなく、子どもの成長や文化への理解につながる保育として計画されていることに気づけるかもしれません。
まとめ
七五三は、子どもの成長を喜び、これからも元気に過ごせるよう願う大切な行事です。
保育に取り入れるときは、七五三の由来を詳しく覚えてもらうことだけを目的にするのではなく、「大きくなったね」「できることが増えたね」と、自分自身の成長を感じられる機会にしていくことが大切です。
製作や絵本、写真などを通して行事に親しんだり、千歳飴や着物などをきっかけに日本の文化に触れたりすることもできます。
また、家庭によって七五三の過ごし方が異なることにも配慮し、一人ひとりが安心して行事を楽しめる環境をつくりましょう。
保育学生のうちは、「子どもに何を教えなければいけないんだろう?」と難しく考えすぎなくても大丈夫です。
まずは、子どもたちがどんなことに興味を持ち、どんな言葉を返してくれるのかをよく見てみましょう。
そして、「大きくなったね」「これからも元気に過ごそうね」という温かな気持ちを、子どもたちと一緒に味わってみてくださいね。



