伝える力を磨こう!保育現場で役立つコミュニケーション術

保育の現場に出ると、「伝える」という場面がたくさんあります。
子どもへの声かけ、保護者への説明、先生同士の相談や連携など、どの瞬間にもコミュニケーションは欠かせません。
ですが、保育学生さんの中には「うまく言葉にできない…」「実習での報告が苦手」「子どもへの声かけが難しい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、保育の現場で求められる“伝える力”について、わかりやすく紹介します。
難しいテクニックではなく、学生のうちから自然と身につけられるシンプルなコツばかりですよ!
伝える力は話す力だけじゃない
コミュニケーション力と聞くと、「話すのが上手」「説明が得意」というイメージを持つ人もいるかもしれません。
でも、保育の現場で求められる“伝える力”は、それだけではありません。
保育現場で大切なのは表情・しぐさ・声のトーン・子どもの様子を受け止める姿勢といった、言葉以外の“非言語的な部分”もすべてコミュニケーションの一部です。
たとえば、子どもに優しく語りかける場面。
どんな言葉を選ぶかより、安心できる表情や柔らかい声のトーンのほうが、子どもには強く伝わります。
そうしたサインを通して、子どもは「この先生は安心できる人だ」と感じることができるのです。
つまり、「伝える力」は特別な技術というより、日々の関わりを通して自然と育っていく力。
学生のうちから少しずつ意識していくことで、実習などの保育現場でのコミュニケーションがもっとスムーズになりますよ。
子どもに伝えるときのコツは「シンプル&ゆっくり」が基本
子どもへの声かけで大切なのは、難しい言葉を使う必要はないということ。
むしろ「短く」「ゆっくり」「わかりやすく」が鉄則です。
■子どもに伝わりやすいコツ
声かけをするときは、次のポイントを意識してみましょう。
・名前を呼んでから話す
・視線の高さを合わせる
・肯定の言葉を先に伝える
・行動を具体的に伝える(抽象語を避ける)
・急がせず、待つ時間を大切にする
たとえば「ちゃんと片づけてね」では、子どもにとっては少し曖昧でわかりにくい表現です。
でも「ブロックは箱に入れてね」と伝えると、やるべき行動がはっきりします。
実習では緊張して早口になりがちですが、深呼吸してゆっくり話すだけで、子どもの反応が驚くほど変わりますよ。
保育士間でのコミュニケーションは報連相を「こまめに」する
保育では、先生同士の連携がとても重要です。
子どもの小さな変化も、こまめに共有することで、安心して日々の保育を進めることができます。
実習中の保育学生さんに特に意識してほしいのは、報告・連絡・相談(報連相)を、少し大げさなくらい丁寧に行うこと。
特に、
・子どもの体調に変化があった
・けがをしてしまった
・ケンカやトラブルがあった
・活動の中で気になることがあった
・任された仕事が終わったとき
どれも「自分だけで判断して終わり」にはできない内容です。
まだ経験の浅い学生だからこそ、遠慮せず共有して大丈夫です。
言葉に迷ったら、「実は〇〇があって…」と最初に言うと、スムーズに伝えやすくなります。
先生たちは学生をサポートする立場なので、むしろ「報告してくれてありがとう」と感じることのほうが多いものです。
こまめに伝える習慣は、保育現場だけでなく社会に出てからも大きな力になります。
保護者とのかかわりは短い時間でも「温度」を伝える
実習中は、保護者と関わる場面は多くありませんが、短い時間でも意識できるポイントがあります。
・笑顔であいさつする
・事実を簡潔に伝える
・ポジティブな言葉を添える
・「◯◯していました」「楽しそうでしたよ」 など、見たままを誠実に伝える
大切なのは、丁寧な態度と子どもを大切に思う気持ちを伝えること。
それだけで、保護者に安心感や信頼を与えることができます。
また、実習中は保育者の対応を観察することも大切です。
先輩の声かけや表情の使い方を見て学ぶことで、自分の関わりにも活かせます。
聞く力を鍛えると、伝える力はもっと伸びる
伝える力を磨きたいとき、実は最も大切なのは 「聞く姿勢」 です。
・子どもの話を最後まで聞く
・先生のアドバイスに耳を傾ける
・保護者の言葉を丁寧に受け止める
こうした「聞く力」が育つと、自然と相手の気持ちを想像できるようになり、声かけや言葉選びも優しく、適切になっていきます。
保育は、「伝える」と「聞く」がセットになった仕事です。
どちらかだけを頑張るより、両方の力をバランスよく育てることが大切ですね。



