行事準備のコツ〜発表会・運動会を成功させるために〜

幼稚園や保育園で行われる行事は、子どもたちの成長を感じ、保護者とその喜びを共有できる大切な機会です。
発表会や運動会はその代表的なもので、日頃の保育の成果を形にする場であり、子どもたちの達成感や自信につながります。
その一方で、行事を成功させるためには多くの準備が必要です。
子どもの安全や楽しさを最優先にしながら、保育者・保護者・地域が協力して行うことが求められます。
そのため、保育者にとっても気合いが入る場面ですよね。
今回は、発表会と運動会を例に、行事準備の流れや押さえておきたいポイントをご紹介します。
発表会の準備
園にもよりますが、発表会は劇や合奏、歌、ダンスなどを子どもたちが披露する場です。
準備は主に以下のような段階で進められます。
1.企画やテーマ決め
まずは、発表会全体のテーマや方向性を決めます。
季節感や子どもたちの興味、発達段階に合った題材を選ぶことが大切です。
劇を行う場合は、子どもたちが理解しやすいように物語を簡略化するなど、わかりやすく伝える工夫をしましょう。
2.役割分担
子ども一人ひとりの個性に合わせて役を決めます。
例えば劇では、演者やナレーション、道具を持つ役など、多様な参加の形を用意することで、全員が主体的に取り組めます。
近年では、一つの役を複数人で担当するなど、「誰か一人だけが主役」にならないよう配慮している園も増えています。
3.練習の進め方
本格的な練習に入る前に、遊びの中で歌やリズムを楽しんだり、物語の世界観を感じたりする時間を作りましょう。
その後、少しずつセリフや振り付けを覚え、リハーサルを重ねていきます。
練習の過程では、子どもたちが無理なく楽しめるよう、休憩や励ましの声かけなどの配慮も大切です。
4.衣装や道具の準備
衣装や小道具は、発表会の雰囲気を盛り上げる大切な要素です。
保育者が手作りすることもあれば、保護者に協力をお願いする場合もあります。
お面や道具など、子ども自身が作れるものは保育時間内に一緒に製作することで、発表会への期待が高まります。
安全性や動きやすさを重視し、派手さよりも「安心して使えること」を大切にしましょう。
5.当日の運営
当日は、子どもが安心して発表できる環境づくりが何より大切です。
舞台裏の待機場所や衣装の着替えの流れを事前に確認し、保育者同士で役割分担を明確にしておきましょう。
また、保護者への案内や撮影ルールを事前に共有しておくことも欠かせません。
運動会の準備
運動会は、体を動かす楽しさを味わい、友達と協力しながら成長を感じられる行事です。
年間を通して保護者も楽しみにしている大きな行事のひとつである分、安全面や運営の工夫がより求められます。
1.全体計画の立案
まずは、運動会全体の構成を考え、種目や進行を決めます。
年齢ごとに適した競技を選び、子どもが「できた!」と達成感を持てる内容にすることが大切です。
また、親子競技やリレーなど、保護者や地域の方が参加できる種目を取り入れることで、一体感のある運動会になります。
2.練習と体力づくり
練習は子どもの体力や集中力に配慮しながら、少しずつ進めます。
走る・跳ぶ・投げるなどの基本動作を遊びの中で取り入れ、楽しみながら身につけられるようにしましょう。
勝ち負けにこだわりすぎず、仲間と力を合わせる喜びを味わえるような声かけが大切です。
3.用具や会場の準備
玉入れや障害物競走などの競技で使う用具を揃え、安全に使用できるか確認します。
また、会場の設営も重要です。
テントや観覧席、入退場の動線を整え、天候に備えて雨天時の代替案も準備しておきましょう。
4.安全管理
転倒や熱中症などの事故を防ぐために、救護スペースを設け、医療スタッフの配置を検討します。
水分補給の時間を確保し、子ども一人ひとりの体調に気を配ることが求められます。
5.当日の進行とサポート
当日は司会進行やアナウンス、子どもの誘導など多くの大人の協力が必要です。
保護者ボランティアを募り、役割を明確にしておくとスムーズに進行できます。
子どもが安心して力を発揮できるよう、保育者がそばで見守り、温かく励ますことも大切です。
保護者との連携
発表会や運動会は、子どもの成長を間近で感じられる、保護者にとっても大切な機会です。
そのため、事前に案内を配布し、日時や持ち物、当日の流れ、注意事項などをわかりやすく伝えることが大切です。
衣装づくりやお弁当の準備など、家庭に協力をお願いする際は、負担が大きくならないよう配慮し、無理のない範囲でお願いしています。
まとめ
発表会や運動会などの行事準備についてのお話をしてきました。
幼稚園や保育園での発表会や運動会は、子どもたちにとって成長を実感できる大切な行事です。
その準備には、企画から練習、用具や会場の整備、安全対策、そして保護者との連携まで、多くの工夫と配慮が必要です。
大人にとっては大変な作業もありますが、当日子どもたちが笑顔で頑張る姿を見れば、頑張ってよかったなと苦労も報われるはず。
子どもたちと一緒に考え、最後まで頑張る気持ちを忘れず準備できると良いですね!



