3歳児の「なんで?」攻撃、どう向き合う?
子どもが3歳前後になると、「なんで?」「どうして?」といった質問を繰り返す姿がよく見られます。
大人にとっては些細に思えることでも、立て続けに問いかけられると、つい困惑したり、疲れてしまうこともありますよね。
しかし、この「なんで?」の連発こそが、子どもの心と体の発達において大切なステップなのです。
今回は、3歳児の「なんで?」に向き合う意義と、日常の中でできる具体的な関わり方について分かりやすくご紹介します!
3歳児の「なんで?」攻撃が起きる理由とは?
・言語の発達と「因果関係」への関心
3歳児は言葉の獲得が進み、自分の思いや考えをある程度言葉で表現できるようになります。
それと同時に「なぜそうなるのか」を理解しようとする姿が強く表れます。
「なんで雨がふるの?」「なんでご飯たべるの?」といった質問は、大人からすれば当たり前でも、子どもにとっては未知の現象。世界を知ろうとする真剣な探究心の表れなのです。
・「なんで?」はコミュニケーションの一部
子どもの「なんで?」は知識欲求だけでなく、大人とのやりとりを楽しむコミュニケーションの手段でもあります。
大好きな大人と対話する中で安心感を得たり、やりとりを通して社会的な関係性を学んだりする側面もあるのです。
・「なんで?」を育ちに活かす関わり方
子どもの「なんで?」は、探究心や思考力の芽生えを示す大切なサインです。
保育者が一つひとつの疑問に丁寧に応えることで、子どもは「自分の疑問を大切にしていい」と感じ、主体的に学ぶ力を育んでいきます。
さらに、問いを共有する中で他者の考えを聞き、自分の意見を伝える経験は、集団生活での対話力や協調性の基盤にもつながります。
「なんで?」攻撃を面倒に感じるのではなく、子どもの学びの可能性を広げる入り口として捉えることが大切です。
子どもの「なんで?」攻撃への向き合い方とは?
・共感して受け止める
まずは「なんで?」と聞かれたこと自体を肯定的に受け止めましょう。
すぐに答える必要はなく、「そう思ったんだね」「不思議だよね」と子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。
これにより子どもは「自分の疑問を大切にしてもらえた」という安心感を得られます。
・一緒に考える姿勢を持つ
一方的に答えを与えるのではなく、「先生も考えてみようか」「どうしてだと思う?」と問い返してみましょう。
子どもなりの答えを引き出すことは、想像力や論理的思考を育むうえで有効です。
・体験と結びつける
言葉だけで説明するのが難しいときは、実際の体験と結びつけると理解が深まります。
例えば「なんで植物に水をあげるの?」という問いなら、一緒に水やりをして数日の変化を観察することで、納得感を持って学ぶことができます。
・答えを共有する場をつくる
「なんで?」をテーマにした対話や絵本の読み聞かせもおすすめです。
子どもの考えを聞き合うことで、自分と違う視点に気づき、考えを広げる経験ができます。
これは協調性や社会的な学びにつながります。
・分からないことは一緒に調べる
保育者が無理に答える必要はありません。
「先生も分からないな。一緒に調べてみよう」と伝えることで、知識は与えられるものではなく、自ら学び取るものだという姿勢を示せます。
図鑑や絵本を使ったり、ほかの先生に聞いたりする体験そのものが、学びの力を伸ばす機会になります。
まとめ
3歳児の「なんで?」攻撃が起きる理由や向き合い方について見てきました。
子どもの「なんで?」は、知的好奇心の芽生えであると同時に、社会的な関わりを学ぶ大切な機会です。
大人は必ずしも正しい答えを用意する必要はありません。
まずは共感的に受け止め、一緒に考え、体験や対話を通して理解を深めていくことが大切です。
保育の場では、この「なんで?」を面倒に感じるのではなく、子どもの主体性や探究心を育むチャンスとして積極的に活かしていきたいですね。