幼稚園教諭、母校に帰る。 〜千葉経済大学短期大学部編〜
◆ココキャリnote特別連載企画◆
集団生活での社会性とともに子ども一人ひとりの個性を育む学校法人叡智学園で活躍している幼稚園教諭のTさんとYさん。
幼児期の人間関係と保育環境を研究する千葉経済大学短期大学部の恩師、O先生の元を卒業生二人で訪れた。
大学での学びと経験を振り返り、同じ教育者として、保育を語り合う。
「落ち葉拾い」から広がる思い出の授業
――本日は、千葉経済大学短期大学部の卒業生であり、現在同じ幼稚園で働くTさん、Yさんと、二人の授業や実習を担当したというO先生との対談です。大学に来るのはいつぶりですか?
【Yさん】私は今年の3月の卒業以来ですが、学生ホールの学生たちを見ていたら、学生ホールでよく一緒に過ごした友だちの顔が思い浮かびました。
【Tさん】私は6年ぶりですが、変わっていないですね。友だちとご飯を食べたり、一緒に課題に取り組んだりしたラーニングコモンズなど懐かしさで一杯です。
――O先生から見て、Tさんはどんな学生でしたか?
【O先生】私はTさんの相談教員(クラス担当)だったのですが、クラスの中心メンバーでしたね。当時から気の利く学生さんで、イベントでも最後の片付けまでしっかりやってくれる。卒業式の時もクラスのみんなの寄せ書きを集めた色紙をプレゼントしてくれました。いつも旗振り役、とりまとめ役を買って出てくれていましたね。
【Tさん】ありがとうございます。O先生は相談や報告など一対一でお話しする機会が一番多かった先生でした。
【O先生】研究室にもよく遊びに来ていましたね。
【Tさん】私が一番お邪魔していたと思います(笑)O先生の授業では、実践的なことが印象に残っています。みんなの前で絵本の読み聞かせをしたり、全員で手遊びを発表したりしたのですが、授業でたくさん覚えた手遊びが、保育の現場ですごく役立っています。
――O先生の授業で学んだことを実践されているのですね。
【Tさん】はい。ほかにも、「環境指導法」の授業で、みんなで公園に行って拾った落ち葉を使って製作をしたことがありました。今、年少さんの園外保育の時に、子どもたちが目を輝かせて落ち葉やドングリを拾っている姿を見ると、その授業を思い出します。実際に自然に触れて感じることが子どもの成長に繋がっていることを実感しています。
【O先生】うれしいですね。私の研究テーマは人間関係や環境で、子どもの「やりたい」という主体的な気持ちを大切にしながらも、子どもの発達を促し、その後の社会生活に繋がる環境の構成や、子どもたちが安心できる園生活の基盤となる子どもたちと保育者との信頼関係について、学生たちに伝えています。
【Tさん】幼稚園では「この遊びをしなさい」ではなくて、ブロック遊びやお絵かき、折り紙など、それぞれの遊びのためのスペースがあって、自分がやりたい遊びをするために子どもは自由に動き回れるようになっています。それも環境ですし、前にいる先生の話を聞く場面では、子どもたちの気が散らないよう、おもちゃが目に入らないようにする。そういうこともすべて環境構成に入るのかなと思います。
温かい繋がりがあるから“園は心のふるさと”
――Yさんとの思い出はいかがですか?
【O先生】Yさんが1年生の頃、保育実習先の保育園に様子を見るため巡回に行きましたね。保育実習は最初の実習なのでみんな緊張するんですよ。
【Yさん】初めての実習の時は、本当に心細かったので、実習先にO先生が来た時はうれしかったです(笑)「頑張ってね」と応援してくださって、とても心強かったことを覚えています。
【O先生】園からも「積極的に子どもたちの間に入って頑張っている」とお褒めの言葉を頂きましたね。学生は実習が不安ですから、巡回の時は、元気に過ごしているか、心配や不安がないか、話をよく聞いて励ますように心がけています。
――お二人とも、みやこ幼稚園では実習をしていませんが、就職を決めた経緯は?
【Tさん】園のことは大学の合同就職説明会で知ったのですが、その時に説明会に来られていた理事長先生と総務の先生がとても明るくて気さくで、もっと園のことを知りたくなったのが興味を持った最初のきっかけですね。
【Yさん】私は学校のキャリアセンターにある求人票で見つけました。積木遊び、英語遊び、リトミック遊びなど、様々な遊びを通して子どもの能力を育てるという教育内容や、「考える力を育む」という教育目標に魅力を感じましたね。パンフレットを読んで、防犯カメラの設置や置き去り防止対策などの安全対策が万全で、信頼できるしっかりした幼稚園という印象も受けました。
【Tさん】就職説明会の後に見学に伺ったのですが、その時も先生方の雰囲気がすごく良くて。就職試験に、当時苦手としていたピアノの実技がなかったことも大きかったですね。幼稚園の先生になるのは諦めようかと悩んだくらいピアノが苦手だったので…。それよりも人間性や幼稚園教諭としての資質を見るという園の方針に惹かれて、ここで頑張りたいと就職を決めました。
【Yさん】私も見学に行った時に、子どもたちがすごく楽しそうに遊んでいて、全クラスを回らせてもらった時も、どの先生も明るく楽しそうだったのが印象的で、職員室の雰囲気も良いなと感じたことが決め手になりましたね。
【Tさん】実際に働いてみると、年の近い先生が多くて、相談や改善提案もしやすい環境がありますね。また、園長先生がいつも“園は心のふるさと”とおっしゃっていて、ここを卒園した後も、幼稚園時代を振り返って心が温かくなるような園を目指しています。私たちもその思いで保育に取り組んでいます。
【Yさん】各学年に30人程度のクラスが3つずつ、となかなかの規模ですが、私は入職1年目なので、年少クラスで副担任をしています。
【Tさん】私も入職1年目の時は、Yさんと同じポジションでしたね。
人生の基盤の時期、大事に心を育む
――どんなところにやりがいを感じますか?
【Yさん】成長を見られることです。一人で靴も履けなかった子が、いつの間にか準備や片付けができるようになっていたり、最初はおむつをはいていた子がパンツになって、自分でトイレに行きたいと言えるようになったりするのを見ると「すごいな!」と思います。
【Tさん】本当に、子どもたちの成長の速度はすごいです。私が子どもたちに掛けた言動をマネして、たとえばお友達が転んだ時に「大丈夫?」と心配したり、「痛いの飛んでいけー」と言っているのを見ると、吸収してくれているんだなと、すごくやりがいを感じますね。去年担当した年長は年少の時にも担任をした子たちだったのですが、年少の時に「やりたくない」って寝転んで泣き叫んでいた子が、卒園式ではかっこよく卒園証書をもらっている姿を見て、私が一番大泣きしました。それを見て子どもたちは笑っていましたね(笑)
【O先生】お二人の話を聞いていると、私が学生に伝えたいことがちゃんと伝わっていると思えてうれしいですね。学生だと、その場その場で「どうしよう」となりがちですが、子どもたちの成長を見守っているのが本当に立派だなと思います。
――やりがいを持てる園に出会い、幼稚園教諭として頑張っているお二人にO先生からメッセージをお願いします。
【O先生】これからも人生の基礎となる乳幼児期の子どもの心を大事に育てていってほしいですね。子どもは保育者との信頼関係をベースに、友人関係を広げていきます。年少なら、知らない子ども同士が出会って仲良くなっていくこと、年長なら、協力し合って一つの行事をやりとげることなど、その年齢なりの人間関係のテーマがありますからね。
【Tさん】今こそ、O先生の授業を受けたいですね!学生の時には聞いてもわからなかったことも、日々実践している今なら腹落ちすると思います。11月の終わりに発表会があって、年少さんはダンス、年中と年長は劇をやるのですが、先生がおっしゃったように、まさに、みんなで協力し合って一つの劇を作り上げていく中で成長していくんです。最初は泣いて離れたがらなかった我が子が、堂々とステージで発表している姿を見て涙を流される親御さんもいますね。
【Yさん】私はまだ入職して3か月でようやく幼稚園の一日の流れがわかってきたところですが、私が担当している年少の子どもたちも初めての幼稚園生活の中でどんどん成長していて、成長する姿を日々見られるのが本当にうれしくて、子どもたちに会えるのを楽しみに毎日幼稚園に行っています。
【O先生】毎日の子どもたちとの生活を楽しんでほしいと思っているので、その言葉を聞けてうれしいですね。あとは、保育者の心身が健康であってこそ子どもの健全な育ちを支えていくことができるので、体に気をつけて元気にがんばってもらいたいなと思います。
【Tさん・Yさん】はい、ありがとうございます!
◆先輩が働いている法人&母校はコチラ◆
学校法人叡智学園
取材園:みやこ幼稚園
集団生活の中で社会性を養い、発達に適した援助で一人ひとりの個性を豊かに育む。「丈夫なからだ・豊かな心・考える子ども」を教育目標に掲げ、豊かな情操と正しい判断力を身につけて充実した幼児期を過ごせるよう万全の準備を整え、心を込めた保育を行っている。
千葉経済大学短期大学部
1977年に初等教育科としてスタートしたこども学科は、総計6700名以上の教師や保育者を輩出。「良識と創意」を校是とし、深い人間理解と幅広い教養に基づいた豊かな人間性を育む。その上に、専門的教養・知識と実践力とが調和した教師、保育者を養成している。
ココキャリ・ノートを取り寄せて、もっと就活・実習に備えよう!
【バックナンバー取り寄せ】👈クリック!
-----------------------------------------------------------------------------------------------
電話:03-6427-2090
※受付/9:00~18:00(平日)
※GWや土日祝はお休みです。ごめんなさい。【お問合せフォーム】にてご連絡ください。
\Twittr・インスタ・YOUTUBEのフォロー&チャンネル登録おねがいします!/
▼Twitter/幼稚園教諭・保育士のたまごを応援!ココキャリ
Follow @cococari_hoiku
▼Instagram/ココキャリ 保育学生応援団【公式】
▼YouTube/保育園&幼稚園の就活情報【ココキャリ・チャンネル】